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2007年05月01日

基本的な着想は悪くないんだけど…@バベル・雑感

 カテゴリー:劇場で観た映画

○という訳で、映画の日に便乗して観た「バベル」の感想。
 基本的な着想というか組み立て方・展開としては割と私の好みの手法だったと思うんですけど、正直言って「この話いらんだろ」という部分が結構目について全体としての評価はいまいちな感じ。

 ※この映画、細かいところを話し出すとどうにもネタバレして映画を楽しめなくなる恐れがありますので、感想部分は追記に収めておきます。ネタバレしても構わん、という人だけ読んで下さい。但し映画を観に行く予定の人は読まない方がいいと思います。

<話の始まり>
 何気なく放たれた一発のライフル銃弾、それが引き起こした騒動と関係者の人間模様を切り取って描いてるのが本作の基本的な構造です。

 本作では撃った人間&撃たれた人間のいる場所=モロッコ、撃たれた人間の本来の家があるアメリカ、撃たれた人間の子供を育てる家政婦の出身地メキシコ、そして撃った銃の元々の所有者がいる日本(←この設定が一番強引で無理がある)の四箇所で起こった出来事を恣意的に配列して描かれており、富と貧困の世界的偏在とかそういった割とメタな世界描写くさいことを折々盛り込みつつ「世界は意外なところで連鎖している」みたいなテーマを浮かび上がらせたかったようです。

<微妙に噛みあわない各国の出来事>
 然し、どうにも出てくる人間のチョイスと背景設定?がどうにもご都合主義過ぎて(ノ∀`)アチャーとなってしまったり。特に日本のエピソードはかなり強引に付け足された感があり、日本人のアホさ加減がある意味的確に描写されてて嫌な感じ。以下、各国エピソードに関する寸評。

 ・モロッコ:ジャッカルから山羊を守るために知人からライフルを買う、ってモロッコでは一般的なのかなぁ…? まあ、調子こいて撃ってしまってからの展開は割と現実でありそうな感じなので構わないのですが。それにしてもこのライフル、呪いのライフルなんじゃないだろうか…?

 ・アメリカ:アメリカ人の家族愛的なところを描きたかったんでしょうけど、すれ違い気味の夫婦愛を確かめ合うために態々モロッコに夫婦旅行する夫の考えの背景描写が欲しいところ。あと、不法就労の家政婦を雇って子供の面倒見させてるってのがポイント(米国におけるヒスパニック系移民の増加に対して触れてる)かな。

 ・メキシコ:家政婦の息子がメキシコで結婚式挙げるっつーんで、家政婦が(モロッコで事件に巻き込まれた夫婦の滞在依頼に反して)子供連れて式に行ってしまって、結果様々な不幸に巻き込まれるの図。いやまあ、ある意味因果応報なんですけど、ここでも仕事(お金)と家庭(人間性)の両立に対するジレンマが…

 ・日本:完全に蛇足エピソード。ライフルの元々の所持者の「娘」が必死こいてロストバージンを目指すも大失敗という話。マンションの雰囲気からしてえらい金持ちらしいんですけど、ハンティングが趣味だとか妻が銃で頭撃って自殺したとか、およそ非日常的な要素が積み重なってて違和感ありまくり。あと、娘が聾唖者だった意味が単にストーリー構築上の都合にしか見えないのが…

 正直、個人的には日本のエピソード(゚听)イラネって感じですか。ライフルの大元の所持者がアメリカ人の夫だったらもっと嫌な感じがして「世界の幸福と富の連鎖」について深く掘り下げることができたと思うんですけどねぇ…

<簡単な総括>
 アメリカ・アフリカの二大陸でストーリーを纏めていれば(=完全に日本をストーリーから除外していれば)、もっと良い作品に仕上がったと思うのですが…それにしても日本って海外から見たら平和ボケ(&色ボケ)の印象が強いんでしょうかね。

 あと、話の途中でオチとか展開が読めてしまうのは流石にどうかと思いましたし、あの状況で撃たれた奥さんが助かったというのも非常に嘘臭くて萎えました。どう考えても村に運ばれるまでに出血多量で死んでると思うのですが…あれだったら未だ「バスの乗客の中に偶然看護士が居合わせて応急処置してくれた」とかの方が(創作ストーリーくささは強まりますが)説得力あるような。

 この映画、基本的にすっきりしない作品なので、一人で観に行かず誰かと一緒に行って映画の内容を話し合う方がいいと思います。それでもすっきりしない可能性は否定できませんが…

投稿者 shizune : 2007年05月01日 23:24

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